二学期 始業式の挨拶
2019年9月2日おはようございます。
7/19に終業式をしてから今日の9/2は45日目、ずいぶん日にちが過ぎました。
皆さんは、補習、面談、部活、様々な研修、講座に参加、いろんな過ごし方と思います。
私は、8/18〜27の10日間、オーストラリア研修に、北条高校生9名、中学生8名と行って来ました。
道路沿いの草原にはカンガルーが自然に飛び跳ねていたり、一面ブドウ畑が広がり、自然が雄大、時間の使い方が上手、基礎的な勉強より実学を重視する。
私も、オーストラリアの先生の家にホームスティをさしてもらい、片言の英語で 11歳の娘さん、9歳の息子さん、そしてケルピードッグと楽しくコミュニケーションをとれ、文化やライフスタイルの違いを肌で感じることができました。
さて、話は変わりますが、
明治33年(1900年)、新渡戸稲造が英語で「武士道」という本を書き、当時世界のベストセラーになりました。新渡戸稲造は、樋口一葉に代わる前の5千円札の人物です。
武士道という本を書いた理由は、新渡戸稲造がアメリカに滞在している時に、ベルギーの法学者のラブレー教授から、日本人は宗教教育をしていないのに、なぜ道徳心が高いのかという質問を受けたが、答えられませんでした。その後、その理由を考えまとめたものが「武士道」です。
当時のセオドア・ローズベルト大統領、後のジョン・F・ケネディ大統領も多いに共感したと言われています。
フランス語、ドイツ語、ロシア語はじめ30か国以上の言語に翻訳され、日本語訳も岩波文庫から出されています。原本の英語の副題は The soul of Japan
今回、オーストラリアの先生に、英語版と日本語版をプレゼントしておきました。
その、武士道の中で、”惻隠の心”ということが書かれています。これは、中国古典の孟子の言葉で、平たく言うと「弱者をいたわる思いやりの心」”弱い者いじめをしない”、ということです。
惻隠は英語で feeling of distress。 Distressはストレスstressの語源です。
日本は、明治維新から今年は151年です。
科学技術が進歩し、経済発展は遂げたものの、惻隠の心(情)が失われているように感じます。
今日から二学期が始まりますが、
惻隠の心を大切にすること、そして夏休みが思ったように過ごせなくても、何とかなると思って二学期を過ごしてくれることを期待して始業式の挨拶とします。