北高ブログBlog

みんなちがって、みんないい ~10月1日全校集会にて~

2021年10月1日

皆さん、こんにちは。本日は10月1日です。4月から丁度半年が経ち、本年度の半分が過ぎたことになります。充実した学校生活でしたか?1年生は学校生活に慣れ、2年生は部活や学校生活において北高の中心としての自覚を持ち、3年生は進路実現のための受験モードになった半年だったと思います。残りの半年も充実したものにしてほしいと願います。

1学期、2年生の学年通信に詩人の金子みすゞの作品が掲載されていました。是非、全校生に知ってほしいと思うので、紹介したいと思います。大正時代から昭和の初めにかけて活躍しましたが、放蕩な夫との結婚生活で苦労し、26歳の若さでこの世を去った詩人です。亡くなってから90年余りになります。生前はあまり注目されなかったようですが、近年、広く知られるようになりました。私も山口県に訪れた際、金子みすゞ記念館に行ってきました。

その金子みすゞの作品にある言葉で、印象的な言葉が、「みんなちがって、みんないい」という言葉です。

その言葉が出ている「わたしと小鳥とすずと」という作品です。紹介します。

 

わたしが両手をひろげても、

お空はちっともとべないが、

とべる小鳥はわたしのように、

地面(じべた)をはやくは走れない。

 

わたしがからだをゆすっても、

きれいな音はでないけど、

あの鳴る鈴はわたしのように、

たくさんなうたは知らないよ。

 

すずと、小鳥と、それからわたし、

みんなちがって、みんないい。   という詩です。

 

小鳥には小鳥の得意・不得意があり、鈴には鈴の得意・不得意があり、わたしにはわたしの得意・不得意がある。そして、それぞれが得意であるものは、他のものが真似することのできない素晴らしいものであると言うのです。先月行われていたパラリンピックを観ながら感動し、何度もこの詩が頭に浮かびました。

「みんなちがって、みんないい」という言葉には、ハッと思わせられるところがあります。くじけそうになった時に勇気を与えてくれる言葉であり、また、私たち一人ひとりに生きる姿勢を教えてくれている言葉でもあるように思います。自分の個性を伸ばすとともに、自分の不得意な部分を卑下したり劣等感を持ったりしないで、突き進んでいくべきだという指針を与えてくれる言葉だと思います。

この詩を、人と人との関係で見ればどういうことになるのでしょうか。他人の痛みがわかる人、他の人に対する思いやりの気持ちを持っている人のことを言っているのだと思います。他人を見る目や、他人に接する姿勢に温かさを持たなければなりません。他の人を温かい目で思いやるためには、自分の心のゆとりも必要でしょう。心のゆとりが優しさを生むと言ってもいいと思います。心の広い、温かい人になるように、私自身も努力しなければならないと思っています。

皆さんも一度金子みすゞの詩を読んで、何か感じてほしいと思います。そして、充実した学校生活にしてください。

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